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日本一の兵「幸村」

真田幸村物語

戦国時代最後の武将、真田幸村はかつてこの九度山町に隠棲していました。幸村の活躍ぶりは猿飛佐助、霧隠才蔵をはじめとする真田十勇士の伝説などで有名ですが、その生涯については意外に知られていません。
そこで、真田幸村をより深く知っていただくために紹介するのが、この真田幸村物語。あなたが知らなかった幸村がきっと見えてくるはずです。

真田十勇士イメージ

真田庵
幸村父子が14年間暮らした地、九度山。その跡地に建つ善名称院(ぜんみょうしょういん)。「真田庵」と呼ばれ、今も多くの人が訪れる。

真田幸村イメージ

六文銭の旗印は戦上手の証し

1567年(永禄十年)、武田氏に仕える信濃国上田城主真田昌幸に、二人目の男の子が誕生しました。これが後の真田幸村です。

1582年(天正十年)、武田勢は、天目山の戦に破れ、昌幸の軍も上田城に引き返すことになりました。ところがその途中、四万余の北条軍に遭遇してしまったのです。「わが軍は、わずか三百。これでは到底勝ち目がない。さて、どうしたものか。」思案に暮れる昌幸の前に、当時15才の幸村が進み出ました。
「父上、私によい考えがあります」
「おお、幸村か。よい考えとは何じゃ」
「私に紋のない旗をお与え下さい」
幸村はその旗に北条方の武将松田氏の旗印永楽通宝を描いて兵に持たせ、軍を六隊に分けて闇討ちをかけました。北条方は松田が謀反を起こしたと勘違いして大混乱。それに紛れて真田勢は無事上田城に帰り着いたのです。

「でかしたぞ。幸村。これにちなんでそなたの旗印には六つの銭を描くがよい」
こうして、幸村は六文銭の旗印を持つことになったのです。


真田幸村が生涯でいちばん長く過ごした九度山。
まちなかでは、あちらこちらで真田の旗印「六文銭」を見ることができます。

まちなか1

まちなか2

まちなか3


幸村の命運をも分けた関ヶ原の戦

真田昌幸イメージ

天目山の戦の後、真田氏は徳川氏に仕えましたが、北条氏との和睦の件で家康と対立、昌幸の長子信幸は徳川氏側に残りましたが、昌幸と幸村は豊臣秀吉に仕えることになったのです。

1600年(慶長5年)、天下分け目の関ケ原の合戦で幸村は父と共に西軍に加わり、持ち前の軍才を生かして秀忠の大軍を相手に大勝を収めました。

しかし西軍は敗退。幸村は死罪に処せられるところでしたが、東軍についていた兄信幸の嘆願により、これを免れました。
「真田昌幸とその子幸村に、所領没収ならびに高野山蟄居を命じる」

これに従って同年10月9日、幸村父子は真田家の菩提寺である高野山蓮華定院に身を寄せました。昌幸53才、幸村33才の時のことでした。


九度山に隠棲して、再起を待つ

真田庵イメージ

こうして幸村父子の隠棲生活が始まりましたが、高野山があまりにも寒かったため、その年の冬に庵を九度山に移しました。その跡地に建つのが善名称院(ぜんみょうしょういん)、真田庵です。

九度山での生活は、信之からの仕送りもあって、それなりにゆとりのあるものだったようです。その一方で兵術や天文を学んだり、一子大助(幸綱)と共 に紀ノ川で水練を試みるなど、将来に備えての訓練も怠りませんでした。また、昌幸が刀の柄に巻いていた平織り紐を真田紐として行商させ、生活の足しにもしていました。


戦国時代と共に終わった生涯

真田大助イメージ

時は流れて1614年(慶長19年)春、豊臣秀頼の使者が幸村の庵を訪れました。
「この度、我等は徳川氏を滅ぼさんがために兵を挙げることになった。ついては、幸村殿にも力を貸して頂きたい。」
「承知いたしました。秀吉公の恩義に報いるためにも、喜んで協力いたそう。」

3月18日、幸村は大助と共に14年間住み慣れた九度山を後にしました。父昌幸は既に亡くなっていました。

大坂冬の陣では、南側の最も重要な地点に出丸を築いて空堀をめぐらせ、戦術を尽くして関東軍を悩ませました。その後、一旦は和睦が成立したものの、翌年再び夏の陣が起こりました。大坂城は和睦中に外堀を埋められて守りもままならず、兵士たちの気力も限界に達していました。
「ううむ。もはやこれまで。」
幸村は決死の覚悟で徳川の軍勢に討ちかかりました。その勢いはあわや本陣に迫るかという凄まじさで、さすがの家康も浮き足立ちました。

しかし茶臼山附近での激戦の末、幸村は壮烈な最期を遂げました。享年48才でした。
「幸村の戦いぶりは敵ながらあっぱれであった。以後、江戸城内において幸村を誉め讃えることを許そう。」

家康もまた、同じ戦国武将として幸村に感服していたのです。
軍才に秀でながらも、時代の波に押され大坂夏の陣に散った悲劇の武将真田幸村は、さまざまな伝説や物語で後の世に語り伝えられ、私たちの心の中に生き続けています。

最終更新日:2017216

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